2014年09月25日(木)【ニュース】

「子ども・子育て支援新制度」について

急速な少子化が進む中で、「全ての子どもたちが笑顔で成長していくために。全ての過程が安心して子育てでき、育てる喜びを感じられるために。」平成27年4月1日から、「子ども・子育て支援新制度」が施行されます。

この制度は、団塊ジュニア世代の減少が始まり20代30代の人口が減ること。様々な理由で結婚しない若者の増加などにより本当に厳しい少子化時代がもうすぐやってくることへの対策。また、少子化に関わらず待機児童問題や虐待問題が改善されず、子育て家庭が便利な町に異動していく傾向が強まり二極化が始まっていることに着目しています。

2013年、横浜市が待機児ゼロ宣言をしました。しかし、2014年4月に2400人の定員増をしても20人の待機児が出てしまう事態になっています。これは、子育てに、より便利な地域に移動することから起きた現象です。それに引き換え、近い将来、住民が少なくなり行政が成立しなくなるという現実も出てきています。

こういった現実を解決するために「次の世代を育てる」ことと「質の高い保育と教育」を全国どこにいても全ての子どもと家庭に保障することにポイントが置かれています。今回は、制度の概略と保護者の方から見て、どんな違いがあるのかを書きます。

【子ども・子育て支援新制度の基本】

子どもに対する理念⇒すべ手の子どもに対する例外のない保育を保障する。 子どもの最善の利益を国や行政を含めた子育て機関が保障しようということです。

保護者に対する理念⇒切れ目のない支援と親育ての支援、利用者サイドに立ったシームレスな内容。保護者の肩代わりをする支援ではなく共に子育てをしていくという姿勢で支援するということです。

地域に対する理念⇒子ども、子育てにやさしいまちづくり(地域の再生・活性化) 保育園はだけでなく公園も地域の中で迷惑施設化していることで子どもが 育ちにくい環境になっている。幼稚園も保育園もインクルージョンな街づくりに積極的に参加することで子育てしやすい地域にしようというものです

【国の取組】

1. 認定子ども園の普及を図ります。 待機児解消と教育をすべての子どもに保障するために、幼稚園型認定子ども園・保育所型認定子ども園に加えて幼保連携型認定子ども園の制度をつくりました。

2. 保育の場を増やし、待機児童を減らして子育てしやすい、働きやすい社会にします。 従前の保育園、幼稚園、認証・認定保育園や保育ママさんなどに加えて地域型保育として小規模保育所(3類型)、事業所内保育所の認可園化して一般の子も預かれるようにした、家庭的保育の拡充、居宅訪問型保育の新設。

3. 幼児期の学校教育や保育、地域の様々な子育て支援の拡充や質の向上をすすめます。 2項の場の拡充と質の向上として①幼稚園、保育所、認定子ども園の職員配置を改善するとして3歳児を20:1から15:1にするなど。(ここから先の乳児の改善や保育者の処遇改善は消費税が10%になってからとしていますので、早くても平成27年度後半からです。)

【現状との比較】

○ 入所の要件が変わります。 要件が「保育に欠ける」から「保育の必要性」になり、「事由」と「区分」が設定されます。

「必要性」の「区分」として、

① 就労

⇒すべての就労に対応するようになります。

② 妊娠、出産

③ 保護者の疾病・傷害

④ 同居又は長期入院等親族の介護・看護

⑤ 災害復旧

といったこれまでの事由に加え

⑥ 求職活動

⇒起業準備を含む

⑦就学

⑧虐待やDVのおそれがあること。

⑨育児休業取得時に、さらに保育を利用している子どもがいて継続利用が必要であること。

⑩その他、上記に類する状態いとして市町村が認める場合。

「必要性」の「区分」

1号認定 : 家庭での子育てを行う家庭の、満3歳以上の子どもで教育(4時間程度)を必要と する場合。

2号認定 : 満3歳以上の子どもをもつ家庭で保育を利用する希望の場合。

3号認定 : 満3歳未満の子どもをもつ家庭で保育を利用する希望の場合。

いずれかに認定されます。その上で、2号認定と3号認定にはもう一つの「区分」があります。

保育を必要とする時間が「保育標準時間(一ケ月あたり120時間程度の就労)」と「保育短時間(一ケ月あたり64時間程度の就労)」に区分されます。

注)就労時間は国の目安であり各行政によって違います。各行政の広報などで、ご確認ください。

在園児は、27年度については、保育継続申請の時に新制度による認定を受けることになります。 ほとんどの行政では、在園児は2号認定・3号認定で保育標準時間とすると言っています。しかし、28年度以降はどうか。あるいは、27年度入園の弟や妹については、兄や姉と同じ認定にすると言っていません。これについてはもう少し後に正式な答えがあると思います。

*1号認定は、おおよそ4時間の学校教育を受けることができます。 2号・3号認定の標準保育時間は、11時間保育を受けることができる認定です。

この11時間は原則的な保育時間として8時間。加えて保護者の通勤時間などを3時間程度加えたものです。

2号・3号認定の短時間保育時間は、保育に通勤などを含めて8時間以内としています。この間を超えて、保育を受ける場合は延長保育となります。

*菊清会各保育園での開園時間は変わりませんが、短時間保育時間には違いがあります。短時間保育時間は、10月中旬には決定しています。

【保護者から見た変化】

○ 保育園が認定子ども園に変わる場合

*保育園が認定子ども園に移行する場合、2種類の子ども園を選ぶことができます。保育所型認定子ども園と幼保連携型認定子ども園です。 保育所型認定子ども園は、1号認定児を受け入れる定員を設定しておく必要があります。 幼保連携型認定子ども園は、1号認定児の定員は設定するが、2号認定児の希望があれば認定に関わらず入所を受け入れることができる。

*新教育・保育要領を使って教育と保育をします。 子ども園のメリットは、幼稚園による学校教育を受けることができる。保護者の就労や事情などによる保育の必要性の変化による転園、退園の必要が無くなる場合がある。などです。 ○ 保育園が保育園のままで変化しない場合 保育園のまま認定子ども園に変わらない場合は、これまでとほとんど同じです。ただし「認定制度」になるために家庭によって保育時間に違いが出てきます。

菊清会の各園は27年度については、「保育園」のままで移行しません。

○ 保育料

*それぞれの教育・保育時間に対応した個人給付になります。法定代理受領制になりますが、これまでの保育料と徴収方法は、ほとんど変わりません。

○ 保育の方法 菊清会の保育園は、新教育・保育要領に対応できる保育をこれまでも行ってきているので、例え認定子ども園に変ったとしても保育内容や方法が変わることはありません。 では、何が変わるのかというと、一般的な保育園では、厳しい少子化に向かい入所児童確保のために様々なメソッド的教育方法を取り入れていくことなど競争に勝つための保育サービスを取り入れていくことが目立つようになるかもしれません。 菊清会の保育園は、事務手続きなど変化することはあっても、法人の理念や保育方針・方法が、新制度によって変わる必要がないために大きな変化はありません。 (このことについては別機会に書きます。)

間もなく、各行政が「子ども・子育て支援新制度」について詳しい説明をするようになります。ぜひ、興味を持って広報や説明会に参加してください。 また、厚生労働省のホームページにこの制度の説明がありますので見てください。 http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/index.html

引き続き、「子ども・子育て支援新制度」について書きますので、時々、ブログをチェックしてください。

投稿者 kikuseikai : 12:23 | コメント(0)